■一年生のお勉強 2005.2.19

 今回は動画をお休みして、小学生になってからのお勉強の成果をじっくりご覧いただきます。というのも、頭の手術後の学校生活が心配だったママは1月後半の2週間を教室で付き添って雅魚の学校生活をじっくり見てきたのです。「黒板に向かってじっとしていることができるのか?」「先生の話の意味がわかるのか?」と入学当初は心配したものですが、ちゃんとお勉強らしきものをして、少しづつ着実に身についてきています。そしてママの付き添い中、普段見ることのできない貴重なシーンをたくさん見させてもらいました。参観日でない日の普段の小学校って、本当におもしろい(とくに障害児学級は)。さすがに画像を撮影できるような状況ではありませんので、家族の前では見せることない成長した雅魚の表情・しぐさのひとつひとつを、忘れてしまわないうちにここに記録しといたほうがいいかなと思いましてね。記録はページ終盤へ

 

宿泊学習で『手賀の丘』へ行ったときの作文。先生が文を書き、先生に手を添えられて、かろうじてなぞって書いた字です。10月25日

 

展覧会(校内の文化祭)のために、毎日毎日この字を練習したそうです。

 

展覧会に展示された完成作品。この頃になると自分の意思で線をなぞるようになってきたらしい。11月

 

国語の時間の練習帳より。曲線って、むずかしーなぁー。

 

だいこん(笑)。絵は先生。

 

 

 

これが、雅魚が100%自力で書いた実力といったところでしょう。1月の後半も、国語の授業はずっと点と点を結んで直線・曲線を書く練習をしていました。簡単なことだと思われるでしょうが、手の機能障害がある雅魚にはとっても難しいこと。夏休みの課題として、ママは線を書かせる特訓を試みましたが、その頃はほとんどできませんし、苦手意識が強いあまりにやる気ゼロだったのですから。

 

*復帰初日。全校集会で・・*  数日前、担任の先生よりこう聞かれる。「雅魚くんの手術のこと全校集会でみんなに言ってもいいかしら?」休み時間や掃除時間に遊びにやってくるほかのクラスの子どもたちに毎日のように「なんで雅魚くん頭坊主なの?」「なんで休んでるの?」と聞かれて、先生も答えるのに困っているらしい。そこでママは集会の日にこんなメモを先生に渡しました。「12月22日に頭蓋骨を広げる手術を受けましたので、次のことに気をつけてもらえるとうれしいです。傷口からバイキンが入るといけないので、帽子を脱がさないでください。頭をぶつけたり、たおれたりしないためにも、激しい遊びはしないでください。みんなで見守ってもらえるとうれしいです。よろしくお願いします。集会(会場は体育館)の様子はママも見てました。優しい女性の教頭先生に手を引かれて舞台に上げられる小さな雅魚。教頭先生は、10時間もの手術をがんばったこと、手賀の丘の宿泊学習でも根をあげずにたくさん歩いた頑張りやさんだってことなどと併せて、ママのメモの内容を子どもたちにわかりやすくお話ししてくださいました。その横で雅魚は・・・。久しぶりの学校がうれしいのか、舞台の上に上がってるのがうれしいのか、手をパタパタさせて興奮状態(笑)。雅魚が学校大好きだってことがよーくわかりました。

 

*朝の会* 学校に着くと、まずランドセルから連絡ファイルや教材(薄い冊子とかプリントなど)、筆箱(布のペンケースを使ってます)を出して、机の中にしまいます。そんな簡単なことも入学当時はぜんぜん不可能だったのですが、ちゃんと一人でやってのける姿に母感激。ランドセルは後ろのロッカーに自分でしまいます。日直さんが全員の名前を呼んで出欠確認。ある一日、パパが付き添いをしたのですが、その日はちょうど雅魚が日直のひ。クラス8人の名前はちゃんといえてるらしいのですが、蚊の鳴くような小さな声で言うのでちっとも聞こえなかったそうです。家での元気とは大違い。

*体育*  障害児学級では異様に体育の授業が多いです。着替えの練習にもなるし、行動の規律も学べますものね。ママが付き添った1月後半はちょうどマラソン大会前で、校庭をマラソンしてることがほとんどでした。クラスのほかの子は、体格的にはしっかりしている子ばかりなので、体操服でひょこひょこ走っている雅魚がいかにやせっぽちなおチビで、足が不安定なのかがよくわかりました。

*図工* 障害児学級では図工の時間もけっこう多いですね。この頃は、厚紙に紙ねんどを塗ってそこにビーズや毛糸などをデコレーションした、フォトフレームづくりに取り組んでいました。他の子に比べると、作業のスピードはとっても遅いのですが、先生の指示をおおかた理解して、課題物を作ろうとしてがんばってました。のりやねんどを指で伸ばす作業、保育園の頃までは苦手で、やる気を見せなかったのですが、自分の意思でやっていて、上手にできなくてもあきらめたりしないのでびっくりしました。 

*国語* 課題となった物語「てんとうむし」を声を出して読む練習が、このところの雅魚たちの毎日の宿題。授業では、物語の内容をわかりやすく説明しながら、単語の意味などを教えます。そしてひとりづつ黒板の前に立って、字が読める人は字を読みながら、そうでもない雅魚みたいな子は、先生に続いて読み上げる。雅魚は、練習もしていなかったので、声を出して読むことはほとんどありませんでしたが、物語の意味はちょっとは理解してるのかな? そのほかにも、先生が絵本を読む『読み聞かせ』の時間も多く、この時期「おにはうち」という節分っぽい絵本をとっても気に入ってみんな聞き入っていました。

*算数* ママがいる間、1〜2回しかなかったのですが、クラスの8人が3グループにわかれてトランプやってました。お勉強できる子たちは、普通にババヌキとかやってて、雅魚たちのんびりさんは、先生といっしょに数合わせみたいなことをやってたでしょうか。算数全般、雅魚はよくわかってないと見ました。でも、嫌がって逃げ出すわけじゃないから、まいっか。

*英語* 江戸川区には『ハロー先生』という制度があり、外国人の先生があるサイクルで区内全校を巡回してるんです。ちょうどその時期で、英語の授業を目にすることができました。障害児学級の1〜6年生まで約20人合同の授業です。外人大好きな雅魚は、終始うれしくてたまらない様子。動物の名前や色の名前を教わっていました。みんながハロー先生に自由に質問をぶつけるような時間になると、あの雅魚がめちゃめちゃ大きな声を出して「はろーせんせい!はろーせんせい!」と雑踏にまぎれて話かけているんです。普段から、小さな声でたどたどしくしかしゃべらない雅魚が、あんなに必死で大きな声が出るなんて、びっくりしました。

*給食* 障害児学級全学年が一部屋で食べ、配膳などのしたくは高学年のお兄ちゃんたちがやってくれます。静かに座って食べていますが、食いつきぶりは弱いかな。このクラス、食欲旺盛の子が多いから(笑)。牛乳も瓶一本、飲めることは少なかったんじゃないなか?最後まで残されて、やっと食べきるという感じです。病院の給食だと、よく食べるんだけどなぁ。あんまりお好みじゃないのかも。 

*そうじ* そうじなんてしてないのかと思ったら、やってるんです。普通級の6年生がお手伝いにきてくれて、一緒にぞうきんがけをしてました。かならず一人20回ぞうきんがけをしないといけないらしい。そうじ後に反省会があり、「何をがんばりましたか?」の質問に「ぞうきん」と自分の意思でちゃんと答える雅魚なのでした。

*終わりの会* 帰りのしたくをしながら、先生からお話があります。今日のよかったこと、悪かったこと、明日の予定について。先生のお話をそれはそれはよーく聞いてうなづいています。そして、「今日は何を一番がんばりましたか?」とひとりひとりに質問がまわってきます。たいがい「きゅうしょく」と答える雅魚ですが、「お勉強では何をがんばりましたか?」と聞かれると、「ほんよみ」と答えたり、黒板にかかれた課題を指差したり、的を得た答えをしてました。

*休み時間* 普通の休み時間は体育の着替えや、教室移動、トイレ休憩をしている間にあっという間に終わってしまいますが、2時間目と3時間目の間に「20分休憩」という長い休み時間があるのですが、その休みになると下駄箱に走り「おそといきたい」と言う雅魚。ここ1ヶ月、外遊びなんてしてなかったので、ママも一緒に校庭に出ました。するとどこへ行くのかというと、お砂場。20分、お砂や土としっかりたわむれて、教室に帰っていきました。誰にも言われなくてもそうしてる姿を見て、「ああ、これが雅魚の学校での日課なんだな」と思い、なんだか小学生らしさを感じてしまったのでした。

*そのた* うちの障害児学級では、給食の時間をはじめ、イス持参で教室移動することが一日に何度もあるのですが、それにもすっかり慣れた様子で、イスの背を持って障害物をうまく避けながら教室移動してる姿にも頼もしさを感じました。なんでも先生に付き添われてやっているのかと思いきや、「次は何々をしますから、こうしてください」という先生の指示をよく聞いて自分で動いている姿もびっくりしました。

 

***雅魚ママ感想***

 登下校時や休み時間になると、「雅魚!」「雅魚ちゃん!」と普通級・障害児学級の子どもたちからいつも声をかけられかわいがられている雅魚。先生からはいつもそう聞いていましたが、改めて「本当だったんだ」と感じ、安心しました。学校内でも障害児学級内でも一番幼く、一番体も小さい雅魚ですが、自分とみんなとの違いをしっかり受け止めた上で、雅魚は雅魚のペースで、この小学校の一員であることを、みんなと同じことをして毎日を過ごしていることを楽しんでいるんだなと感じました。クラスの中でも、一番不器用でできることも少ないこともちゃんとわかっていて、でも、それに劣等感を感じることなくのびのびやってるという感じです。雅魚ママも、仕事が忙しくないわけではなかったのですが、気が済むまで付き添ってみてよかったです。普段は共稼ぎで、ドタバタの毎日ですから。おしゃべりが上手になったとはいえ、雅魚の口から学校の様子を伺うのはまだ無理ですし、保育園と違って担任の先生とも毎日の様子をゆっくり伝えあえているわけでもありません。ですから、第二子出産でさらに雅魚のことをかまってあげられなく前に、雅魚のことをじーっくり見つめるとてもよい機会になりました。「ここはボクの庭」といわんばかりに、校内をスタスタ歩いて、学校でしなくてはならない日課もしっかりと身について、まぁ学習面は別として(笑)、立派な小学生になっている雅魚にびっくりしたり感動したりでした。これも、担任の先生たちのおかげ。ありがとうございます。来年度も同じ先生だといいな。

 

 

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